『「幸せをお金で買う」5つの授業』エリザベス・ダン、マイケル・ノートン、古川奈々子
今回の記事では、『「幸せをお金で買う」5つの授業』のLecture1〈経験を買う〉より“宇宙旅行チケットの価値は?”について紹介したいと思います。
30歳の原子力技術者、マーシャ・フィアメンゴの子どものころの夢は、宇宙飛行士になることでした。同じく原子力技術者だった夫のジョンとマーシャは、最初にヴァージン・ギャラクティック社の話を耳にしたとき、宇宙旅行のチケットを2枚買いたいものだと話し合いました。
若い技術者の2人にとって、20万ドルのチケットは高嶺の花でしたが、年を取って退職したあとでなら買えそうです。
ところが2010年、マーシャの人生に予想外の不幸な変化が訪れました。ジョンが病気で亡くなってしまったのです。ジョンの死亡保険を受け取ったマーシャは、あまりの辛さにそのお金に触れるのも嫌で、夫の死を嘆き悲しむ間、放っておきました。
ある日のことでした。マーシャに1つの考えがひらめいたのです。2人の夢を大切にするために、保険金で宇宙旅行のチケットを買ったらどうだろう、、それがこのお金の最高の使い道ではないかしら?
ジョンの死は「人生は短く、はかない」ということを教えてくれたとマーシャは言います。時期が来てからにしようと、この素晴らしい体験を先送りするべきではない。今を逃したら、そうした経験をする機会はけっして来ないかもしれないのだから。
宇宙旅行のチケットを買う気がなくても、シンプルな課題を1つだけやってみてください。自分自信の幸福を増すためにどんなものを買ったかを思い出してみるのです。
物質的なもの、例えば、宝石、洋服、あるいはアイデア商品といった、手で触れることができて保管しておける何かを買ったときのことを思い出してみましょう。
次に、一生の思い出になるような経験を買ったときのことを思い出してみてください。旅行、コンサート、または特別な食事などです。
あなたもほとんどの人と同じであれば、そうした経験について考えると、それに関連する友人や家族、光景においてまで一緒に心によみがえってくるはずです。
さて、どちらの買い物があなたをより幸福にしたでしょうか?
ウィンスコンシン大学の研究では、50歳以上の成人が冷蔵庫から家具、アルコールから芸術にいたるあらゆるものに対していくらのお金を使うか追跡しています。そこで、支出の中で一番重要だったのは旅行、映画など「レジャー」というカテゴリーでした。
多くのお金をレジャーに使う人々の方が、人生に対する満足度が明らかに高かったのです。
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モノは最低限にして、経験にお金をかけていきたい。この話にもあったように、宇宙旅行は僕のやりたいことの1つです。無重力を体験して宇宙から青い地球を見たいのです。
バンジージャンプやスカイダイビングもしてみたい。この2つは飛ぶ前まではかなりの恐怖があると思います。しかし一歩踏み出してみれば、今までにないくらい気持ちが良くなると思うのです。恐怖の向こう側は、幸せで溢れている。