『空気を読んではいけない』幻冬舎 青木真也
今回の記事では、『空気を読んではいけない』の第1章「人間関係を始末する」より【凡人は群れてはいけない】について紹介します。
多くの男の子が強さに憧れるように僕も強さに憧れた。強さの象徴である格闘技に強い憧れを待っていた。だから、僕は、とにかく格闘技をはじめたかった。一番身近にあったのが、柔道だった。
クラスで孤立し、友達もいなかった僕にとって、柔道に集中している時間は救いだった。先生からもクラスメイトからも距離を置かれていた僕は、柔道というコミュニティの中で、なんとかして成り上がるしかなかった。
ところが、中学に進学すると、すぐさま大きな壁にぶち当たることになる。所謂、才能の差だ。監督からも「センスがない」言われる始末。
しかし、考えることをやめなかった。才能がなく、身体が小さくても、何とか生き残ってやると思っていた。
自分の能力が劣っている以上、他の部員と仲良く群れていたら、レギュラーになれないのは明らかだ。僕が群れてしまっては、レギュラーとの差は一生縮まらない。
「このまま普通にことをやっていても絶対に勝てない」「周りと同じことをやっていたらダメだ」と考えながら、毎日練習をしていた。
当時はとにかく必死で、部活動以外の時間に、クラブチームの練習に通うこともはじめた。体力的には相当しんどい。
しかし、部活の練習で満足している部員たちをよそに「お前らが遊んでいる間に、俺は練習しているんだ」と思いながら休まず通った。
成り上がりたかったら、群れてはいけない。周りと一緒にいると、知らず知らずのうちに周囲と同化してしまう。
才能のないものが成り上がるためには、周りを切らなくてはいけないのだ。
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日本人の多くは、周りと同じでいないと不安になる。さらに、新しいことや、周りと違うことをしている人に対して、笑ったり、尊重も何もしない。
それは、何もなく、普通である自分が正しいのだと肯定するためにしている行為だと思う。自分が否定されているように感じているのだ。
欧米の人たちは、こう教えられてきた。「自分の好きなことをやりなさい。でも、好きなこと、やりたいことをすると、他人に迷惑をかけてしまう。だからって、好きなことをしないってことではない。自分が迷惑をかけられても、それを許せるような広い心を持て。」
日本人は違う。「人に迷惑をかけるな」こう言われ続けた結果、やりたいことや好きなことが、できないような小さな人になってしまった。
僕は、日本人だけど、この欧米人の考え方が好きだ。好きなことをやりきる心の広い人になりたいと思う。